写真1●ネットアクション2011のWebサイト
写真1●ネットアクション2011のWebサイト
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写真2●経済産業省 商務情報政策局 情報プロジェクト室 室長補佐 守谷学氏
写真2●経済産業省 商務情報政策局 情報プロジェクト室 室長補佐 守谷学氏
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 経済産業省は2011年7月4日、復興支援や節電のためのアプリおよびWebサービスの開発を呼びかける「ネットアクション2011」を開始した。内閣官房IT室、総務省、文部科学省とも連携しWebサイト(写真1)を開設、素材となるデータの情報を集約するなど、アプリ開発の環境づくりを推進するとしている。またWeb APIやクラウドサービス、アプリ紹介の場を提供する民間の「アクションパートナー」を募集し、連携して活動していく。

 これに先立ち経産省は2011年3月、東京電力の電力使用状況がCSVデータとして提供された際に、アプリ開発を呼びかけている。その際は、20以上のAndroidアプリやウィジェット、ブログパーツなどが開発されたという(関連記事:東電の電力使用状況をモニターできるサービスやアプリが続々)。

 「ネットアクション2011」は、このようなインターネット上の活力をさらに引き出し、活性化することを目的とした取り組みだ。震災からの復旧・復興を支援するWebサービスやアプリ、節電を支援するサービスやアプリに加え、写真、音楽、動画などのコンテンツの作成も呼びかける。

 開発や創作を支援するため、経産省では材料となる公共データについての情報を集約して、提供するとしている。現在、ネットアクション2011のWebサイトでは総務省による被災地域の統計情報を紹介している。また民間のWeb APIとして、ヤフーの「電力使用状況API」、「災害ボランティア検索API」、「電気予報API」、ボランティアインフォの「ボランティアデータベースAPI」、震災関連情報集約サイト「sinsai.info」(関連記事)のWeb APIを紹介している。

 また、東京電力の電力使用状況データの形式が7月1日に変更されるなど、データがアプリで利用されることに対し十分に配慮されていないケースもある。このような問題について経産省では「突然フォーマットが変更されることのないよう、呼びかけていきたい」(経済産業省 商務情報政策局 情報プロジェクト室 室長補佐 守谷学氏、写真2)とする。

 電力使用状況データの形式が変更された影響については、「相当数のアプリに影響が及ぶが、電力データを取り込んでAPI経由で提供しているヤフーなどが即座に対応してくれたため、大きな影響は避けられた」(守谷氏)と見る。またデータを2次利用する場合のライセンスが明確でない場合もある。この点については「現時点は個別に働きかけていくが、ガイドラインのような包括的な取り組み、考えていく必要があるかもしれない」(守谷氏)とする。

 経産省ではネットアクション2011と連携するアクションパートナーを募っている。Web APIやクラウドサービスを提供するパートナー、コミュニティの場を提供するパートナー、アプリやコンテンツを掲載する投稿サイトなどパートナー、優れたアプリケーションやコンテンツを顕彰するコンテストを実施するパートナー、イベントを実施するパートナーなどと連携し「民間の活力を活かしていく」(守谷氏)としている。