米国際貿易委員会(ITC)は米国時間2011年7月1日、米Appleが米S3 Graphicsの2件の特許を侵害したとの初期決定(Initial Determination)を下した。問題の特許は米国特許番号「6,658,146」と「6,683,978」で、前者は画像圧縮の仕組みと手法に関するもの、後者はデータフォーマットに関するものだ。

 S3 Graphicsによると、これら特許は業界ではテクスチャー圧縮方式「S3TC(S3 Texture Compression)」として知られており、米Microsoft、ソニー、任天堂などがライセンス供与を受けているという。

 S3 Graphicsは2010年5月に、Appleに特許を侵害されたとしてITCに苦情を申請。2011年3月に審問が行われた。S3 Graphicsは合計4件の特許について申し立てたが、2件についてはAppleによる特許侵害は無いと判断された。なお、ITCの最終判決は2011年11月1日に下される予定。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると、S3 GraphicsはAppleのパソコン「Mac」、スマートフォン「iPhone」、携帯型メディアプレーヤー「iPod touch」、タブレット端末「iPad」および各種ソフトウエアで同社特許が不正に使われていると主張している。ITCが最終決定でAppleの特許侵害を認めれば、米国への輸入および販売を禁じる排除命令が出される可能性がある。

[ITCの発表資料(PDF)]
[S3 Graphicsのプレスリリース]