国士舘大学は2011年6月30日、学内ICTシステムを日本マイクロソフトのクラウドサービス「Windows Azure Platform」などに移行すると発表した。入試管理、履修管理、学術リポジトリーといった一部システムを移行済みで、4月から運用を開始している。財務会計や人事・給与、就職支援、図書館、eラーニングといったシステムの移行も進め、9月までに移行作業を完了させる。

 学内ICTシステムの全面クラウド化は国内の大学では初めて。自前で運用していたホストコンピュータや約200台のサーバーをほぼ廃止して、年間9億6000万円を計上しているICT関連コストを30%削減する見通しだ。

 情報をクラウド上に移行することで、二つの新サービスを学生に提供する。一つは学習に利用した資料やレポートを長期保存できる学術リポジトリー「i-Lib kiss」。従来も学術リポジトリーは存在したが、i-Lib kissではデータ容量に縛られないクラウドの利点を生かし、卒業後も生涯にわたって情報を利用できるようにする。

 もう一つは学生、教員が参加する学内SNS「Kaede-i」である。学生情報などを管理する学内ICTシステムをクラウド環境に移行するため、学生が所属する学部や顔写真などを容易にSNSに反映させられる。

 系列校である国士舘中学校、国士舘高等学校についても、学内ICTシステムを順次Windows Azureへ移行する計画だ。