米Hewlett-Packard(HP)は中国で現地時間2011年6月29日、同国における成長戦略を推進するため、クラウドコンピューティングや研究開発、ソーシャルメディアの分野で投資を拡大すると発表した。

 同社のLeo Apotheker最高経営責任者(CEO)兼社長は6月27日の週に経営幹部と共に中国を訪問。李克強副首相らと会談し、HPの同国における取り組みについて説明した。Apotheker CEOは「中国は我々の構想を実現するうえで、膨大な可能性を持っている。活力ある経済、モバイルやソーシャルメディアの爆発的普及と、技術革新に対する精力的な取り組みは、HPに大きな商機をもたらす」と述べた。

 同社は、年内に同国における研究開発拠点を拡大する計画を明らかにした。ネットワークや情報解析の研究施設「The Enterprise Servers Storage and Networking Research and Development Center」を北京に開設する。上海では、製造施設を拡大するとともに、パソコンなどを手がけるPersonal Systems Groupの中国本部を設置する計画。

 また、上海、天津、重慶などの主要都市と連携し、社会インフラやエネルギー、医療分野で、中国の技術基盤に高効率のクラウドシステムを導入する。これは中国政府の5カ年計画を支援する取り組みだとしている。

 このほか、中国の顧客やメディアと同社との双方向コミュニケーションを図ったり、同社の情報を発信したりするための公式ブログ「HP China Official Blog」を開設した。

 同国のインターネット人口は4億5000万人。そのうち64%がブログに参加しており、中国は世界でもソーシャルメディアが最も活発な国の一つ。HPの公式ブログやオンラインチャンネルは重要なプラットフォームになるとしている。

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