日本放送協会(NHK)は2011年6月28日、2010年度(2011年3月期)連結決算を発表した。経常事業収入は7376億円(前年度比166億円増)、経常事業支出は7166億円(同41億円増)、経常事業収支差金は209億円(同125億円増)だった。経常収支差金(経常事業収支差金に経常事業外収支を加味した数値)は293億円(同145億円増)だった。

 NHKの経常事業収入の大半を占める受信料収入は6362億円(同139億円増)となった。2010年度末の受信契約件数の総数は3731万件(同45万8000件増)である。

 受信料収入の増加などが経常事業収入の増加の原動力となり、経常収支差金を押し上げた。一方で、アナログ送受信設備の固定資産撤去費用引当金繰入を特別支出したことなどにより、当期事業収支差金(経常収支差金に特別収支などを加味した数値)は38億円(前年度比70億円減)となった。NHKの連結決算では、NHK本体および連結子会社(13社)と持分法適用会社(2社)の合計16事業者が対象になっている。

 NHK単体の事業収支決算(一般勘定)は、事業収入が6839億円(前年度比140億円増)、事業支出が6801億円(同226億円増)、事業収支差金は37億円(同86億円減)である。2010年度予算では事業収支差金が61億円の赤字を想定していたが、受信料増加や効率的運営による事業支出削減により黒字を確保した。NHKがパソコンとデジタルテレビ向けに提供している動画配信サービス「NHKオンデマンド」(NOD)の事業収支決算(番組アーカイブ業務勘定)は事業収入が6億円(予算額に対し5億円減)、事業支出が24億円(同5億円減)、事業収支差金は18億円の赤字(同2000万円悪化)だった。

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