ソニーグループや米連邦捜査局(FBI)、米中央情報局(CIA)、米政府などのWebサイトを狙った一連のサイバー攻撃が自らのグループの犯行と主張していたLulz Security(LulzSec)は、突如として活動を停止すると発表した。

 Pastebin.comなどに現地時間2011年6月25日に公開された声明文によると、「計画していた50日間の航海はこれで終わった。これから遠くへ去らなければならない」などとしている。同時にTwitterへの投稿で、ハッカーらに対し別のハッカー集団「Anonymous」への参加を呼びかけたり、メディアに対して、ネット上に公開したファイルについて報じるよう要求している。活動停止の理由については明らかにしていない。

 米Forbes誌の25日付電子版は、LulzSecがスウェーデンThe Pirate Bay(TPB)のBitTorrentサイトに公開したファイルには、米AT&Tの社内データや、ソニー、米Walt Disney、米ViacomのIPアドレス、北大西洋条約機構(NATO)が運営するオンライン書店利用者の情報などが含まれているようだと報じている。

 LulzSecをめぐっては、ロンドン警視庁が現地時間6月21日にDDoS攻撃(Distributed Denial of Service attack)を行った疑いで、ロンドン東部に住む19歳の男を逮捕したと発表していた(関連記事:ロンドン警視庁、19歳の男を逮捕、「LulzSec」のメンバーか)。この男が攻撃したとされるのは、英国の重大組織犯罪庁(SOCA)のWebサイト。米New York Timesによると、LulzSecがこの攻撃への関与を認めていたことから、ロンドン警視庁はこの男とLulzSecの関連について調べていた。

 また、24日には米Wall Street Journalなどの海外メディアが、ブラジル政府の複数のサイトがサイバー攻撃を受けたと報じている。現在ブラジル政府が一連の攻撃とLulzSecとの関連を調べているという。

[LulzSecの声明文]