米IBMは現地時間2011年6月22日、大規模データ分析アプライアンス「IBM Netezza High Capacity Appliance」を発表した。同社が2010年11月に買収した米Netezza(関連記事:IBM、データウェアハウジングのNetezzaを17億ドルで買収)の技術をIBMブランドで投入する最初の製品で、「最大10ペタバイトのデータを数分で分析できる」(IBM)としている。

 IBM Netezza High Capacity Applianceは、銀行、保険会社、医療機関、通信サービスプロバイダーなど、大容量データの保持を義務づけられている業界のニーズに対応する。こうした業界では、日常業務には直接関係のない大容量データの保存および分析において特有の課題を抱えている。

 同アプライアンスにより、銀行手続き、携帯電話のトランザクション、保険申請、電子カルテ、販売情報などのペタバイト規模のデータを手軽に分類し、情報を分析して消費者センチメントや製品安全、マーケティング効果などの新たな傾向をつかむことができる。また、同アプライアンスは設定が容易であること、ペタバイト当たりのコストが安いことも特徴だとしている。

 自動車価格情報を扱う米Kelley Blue Bookが同アプライアンスを試験導入し、同社サイトを訪れるインターネットユーザーのクリック行動の分析に使用する。米メディアの報道(InfoWorld)によると、Kelley Blue Bookは以前、米Microsoftのビジネスインテリジェンス(BI)製品を使用していた。米Oracleのデータベース専用システム「Exadata」についても評価を行ったが、性能面ではNetezzaと同様だったものの、コストが低い点と設定や保守が簡単である点でNetezzaが勝っていると判断したという。

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