米Intelはドイツのハンブルクで開催中の国際スーパーコンピューティング会議(ISC)で現地時間2011年6月20日、高性能コンピューティング(HPC)事業の今後の取り組みを明らかにした。エクサスケールのコンピューティング技術の開発に注力し、2020年までに毎秒1000ペタFLOP(=1エクサFLOP)の性能達成を目指す。

 将来エクサスケールに達するには、業界と政府の協力だけでなく、同社のHPC向け多コアプロセッサーアーキテクチャ「Many Integrated Core(MIC)」も重要な役割を果たすとして、Intelコーポレート・バイス・プレジデント兼データセンターグループ担当ジェネラルマネージャーのKirk Skaugen氏はMICの採用促進を説いた。

 MICアーキテクチャを用いた最初のプロセッサ「Knights Corner」(開発コード名)は22ナノメートル(nm)製造技術を使って量産する予定。3次元構造を採用したトランジスター(トライゲートトランジスター)を搭載する。すでにMIC用の開発キット「Knights Ferry」を一部開発者に提供しており、今回ユーリヒ総合研究機構、ライプニッツスーパーコンピューティングセンター(LRZ)、欧州合同素粒子原子核研究機構(CERN)、韓国科学技術情報研究院(KISTI)などと共同でKnights Ferryを用いたソフトウエア開発のデモンストレーションを行った。

 Intelはまた、米SGI、米Dell、米Hewlett-Packard、米IBM、米Colfax、米SupermicroなどがKnights Corner搭載製品を投入する予定であることを明らかにした。

 Intelは2013年にスーパーコンピュータランキングの上位100システムが100万プロセッサを搭載するようになり、2015年には200万プロセッサ、2020年には800万プロセッサに達するとみている。また、スパコンランキング首位のシステムは2015年に毎秒100ペタFLOPを実現し、2018年には1エクサFLOPの壁を破ると予測している。

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