大英図書館は現地時間2011年6月20日、米Googleと協力して蔵書25万冊のデジタル化を進めると発表した。18世紀から19世紀にかけて刊行された著作権切れの書籍を対象にする。デジタル化したコンテンツは同図書館のWebサイトや、Googleの書籍全文検索サービス「Google Books(Google Book Search)」の英国版で閲覧できるようにする。

 このプロジェクトは今後数年にわたって行う予定で、大英図書館が対象書籍を選び、Googleがデジタル化を担当する。デジタル化にかかる費用はすべてGoogleが負担するとしている。

 18世紀から19世紀にかけて刊行され、これまで電子版がオンラインで無償提供されてこなかった書籍が中心になる。フランス革命や、産業革命、クリミア戦争、鉄道、電信の発明、奴隷制度の廃止といった時代を背景に刊行された書籍で、いずれも歴史的価値が高いものになる。

 デジタル化されたコンテンツは、同図書館のデジタルアーカイブに永久保存されるほか、Google Booksで全文検索や閲覧、ダウンロードが可能になる。また大英図書館はこれらを欧州の電子図書館ポータル「Europeana」を通じて公開する計画も立てている。「研究者、学生、そのほかのユーザーが世界のどこからでも閲覧でき、非営利目的で複製したり、共有したり、テキストを利用したりできるようになる」としている。

 今回のGoogleとの提携は、民間企業と協力して所蔵印刷物のデジタル化を進める取り組みの一環。これまでに、英国のITサービス企業brightsolidが協力して4000万ページに及ぶ新聞の電子化を行っているほか、米Microsoftが協力して、19世紀の書籍6万5000冊を電子化しており、一部は米Appleのタブレット端末「iPad」向けアプリケーションで提供している。

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