ドメイン名やIPアドレスを管理する非営利組織ICANNはシンガポールで現地時間2011年6月20日、一般トップ・レベル・ドメイン(gTLD)の拡大を承認した。現在22種類ある「.com」「.org」「.net」などのgTLD以外に、企業、組織、コミュニティは自社名やブランド名、都市名などを設定することが可能になる。例えば「.google」「.toyota」「.london」などが考えられる。

 ICANNは、「新たなgTLDは、インターネットでの情報検索、ビジネスの企画、オンラインプレゼンスの構築などの手法を変えることだろう」と述べている。今回の決定で、ほぼすべての言語や文字をドメイン名の末尾に使用できるようになる。

 新たなgTLDの申し込み受付期間は、2012年1月12日から約3カ月間を設ける。ドメイン名を申請できるのは世界中の実績のある企業、組織あるいは団体で、個人は対象外。申請されたドメイン名は8~18カ月かけて審査を実施する。ドメイン名の審査費用は18万5000ドルになる見込みで、申請の際にデポジットとして5000ドルが必要。詳しい条件やプロセスについては申し込み案内「Applicant Guidebook(PDF文書)」に記載されている。

 英メディアの報道(Financial Times)によると、米MotorolaやスウェーデンIkeaをはじめとする多くの企業が新たなgTLDに懸念を示している。大企業はドメイン名の悪用を防ぐためにドメイン名を登録しなければならない可能性があり、Ikeaは「利益がほとんどなく、コストと手間ばかりがのしかかる」としている。

[発表資料へ]