オーディオ技術開発の米Dolby Laboratoriesは米国時間2011年6月15日、同社の特許が侵害されたとして、カナダResearch In Motion(RIM)を米国とドイツの裁判所に提訴したと発表した。損害賠償と製品の販売差し止めを求めている。

 オーディオ圧縮符号化の国際標準規格「High Efficiency AAC(HE-AAC)」の中核となっているDolbyの特許が、RIMのスマートフォン「BlackBerry」とタブレット端末「BlackBerry PlayBook」に無断で使用されたと主張している。発表資料の中で同社は「ほかのすべての大手スマートフォンメーカーは当社とのライセンス契約に合意している」と述べている。

 米国ではカリフォルニア北地区連邦地方裁判所に、ドイツではマンハイムの地方裁判所に、同社の100%子会社Dolby Internationalを通じて訴えを提起した。Dolby LaboratoriesのAndy Sherman上級副社長兼法務顧問は、「RIMにライセンス使用料の支払いを拒否されたため、残念ながら最後の手段として訴訟に至った。我々には自社の知的財産を守る義務がある」と述べている。

 米メディア(Wall Street Journal)は、この件に関して今のところRIMからのコメントは得られていないと報じている。同紙によるとDolbyの全売上高に占めるライセンス収入の割合は約80%。2011年1~3月期におけるライセンス収入は2億1460万ドルで前年同期から10%増加した。Dolbyは今後売り上げを伸ばせる分野として、モバイル端末市場に注目していると同紙は伝えている。

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