写真●米レッドハットのジム・ホワイトハースト社長兼CEO
写真●米レッドハットのジム・ホワイトハースト社長兼CEO
[画像のクリックで拡大表示]

 「レッドハットはもはやLinuxのみを扱う会社ではない。仮想化やクラウドなどさまざまなソフトウエアプラットフォームを“フルスタック”で提供できる体制が整っている」。2011年6月15日、米レッドハットのジム・ホワイトハースト社長兼CEO(最高経営責任者)は記者会見し、仮想化やクラウドコンピューティングへの取り組みを中心に事業戦略を語った。

 ホワイトハーストCEOはまず、現在のクラウド関連技術について「ITベンダーが主導している技術ではなく、グーグルやアマゾン、ツイッターなどの先進ユーザー企業が、自社の課題を解決しようとするなかで生み出したもの」と語った。さらに、これらの企業が成功した背景として「クラウドを社内で一から開発するのではなく、オープンソース・ソフトウエア(OSS)をベースに開発してきたからだ」と、クラウド技術がOSSと密接な関係にあることを指摘した。

 そのうえで「オープンソースの開発プロジェクトによる技術革新を支えつつ、その成果を安定した製品として顧客に提供していくのが当社のビジネスモデルの強み」と強調。こうしたビジネスモデルに基づく具体的な製品として、レッドハットが5月に発表したOSSベースのクラウド関連ソリューション「CloudForms」と「OpenShift」を紹介した。CloudFormsは、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を構築・管理するためのソフトウエア製品。OpenShiftは開発者向けのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である。

 またホワイトハーストCEOは今後競合しそうな企業として米ヴイエムウェアを挙げ、「OSSベースのクラウド関連ソリューションを包括的に展開しており、製品ポートフォリオが似通っているから」とその理由を述べた。