スウェーデンEricssonは現地時間2011年6月14日、米Telcordia Technologiesを買収することでプライベート・エクィティ・ファンドの米Providence Equity Partnersおよび米Warburg Pincusと合意したと発表した。総額11億5000万ドルでTelcordiaの全株式を買い取る計画で、手続きは2011年第4四半期に完了する予定。Ericssonは同買収により、通信事業者向け運用管理システム(OSS)およびビジネス支援システム(BSS)市場における地位強化を図る。

 ネットワークにつながるデバイスの種類が増え、様々なモバイルサービスやアプリケーションが登場するなか、サービス品質を向上しつつ業務や運用を効率化することが通信事業者の課題になっている。こうした課題を克服する手段としてOSS/BSSの重要性が高まり続けていると、Ericsson社長兼最高経営責任者(CEO)のHans Vestberg氏は説明する。

 Telcordiaはニュージャージー州に本社を置き、モバイルやブロードバンド、企業向け通信ソフトウエアおよびサービスを開発している。北米のほか、欧州、アジア、中南米に拠点を持ち、2011会計年度(2010年2月~2011年1月)の売上高は7億3900万ドルだった。

 Ericssonはネットワーク構築、統合、管理に関する自社の実績とTelcordiaの人材および知識を組み合わせることで、拡大するOSS/BSS市場においてネットワーク、ソフトウエア、サービス、プロセスなどにわたる運用知識の主要ベンダーとしての地位を確立したいとしている。

 買収後、Telcordiaの約2600人の従業員はEricssonに移籍する。Ericssonは手続き完了から1年以内に1株当たり利益に対する増益効果を期待している。

[発表資料へ]