三菱UFJリサーチ&コンサルティングは2011年7月初旬に、「IFRS(国際会計基準)導入支援サービス」を開始すると発表した。同社などが新日本監査法人の助言を受けてIFRS対応支援用に開発したソフトウエア「IFRS Navigator」を利用することが特徴だ。

 IFRS Navigatorは、「IFRS対応を進めるうえで必要な専門的なナレッジを提供するソフトウエア」と三菱UFJリサーチ&コンサルティングは説明する。IFRS Navigatorの基となっているのはサン・プラニング・システムズが販売しているBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)ソフト「iGrafx」だ。IFRS対応に必要な文書を、iGrafxのテンプレート(ひな型)として添付している。iGrafxの機能を利用し、IFRS対応プロジェクト全体の進捗管理も支援する。

 一般的なIFRS対応プロジェクトの進め方を想定し、それぞれのフェーズを実現するために必要なテンプレートを用意した。プロジェクトで最初に実施する影響度調査向けには、「論点チェックシート」「検討課題一覧表」「海外・国内グループ会社への調査票」などを用意。全体計画の策定向けには一般的な実施項目を示した「全体スケジュール表」を用意している。対応策の検討と立案向けには、IFRSに基づいた「財務経理規程のサンプル」や「開示チェックリスト」などを添付している。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングは当面、IFRS Navigatorの単品販売はせずに、IFRS導入を支援するコンサルティングサービスとともに提供する。対象となる業種や規模は限定していない。同社は「特に数十の海外子会社がある企業は、IFRS Navigatorを利用して効率的に作業が進められる」としている。

 すでにIFRS対応を始めている企業がExcelで関連文書を作成している場合、IFRS NavigatorにExcel文書を取り込んで利用できる。顧客からの要望によって、IFRS Navigatorを利用せずにIFRS対応支援サービスを提供する場合もある。

 料金は初期調査の場合、300万円程度からを想定している。IFRS Navigatorの価格は5ユーザーで210万円からで、サン・プラニング・システムズから購入する。本格的なIFRS導入支援サービスを受ける場合は、IFRS Navigatorの価格を含む個別見積もりになる。