ソフトバンクモバイル(SBM)が2009年度以前に支払った携帯接続料の一部返還を求めるあっせんを紛争処理委員会に申請した問題で、NTTドコモは2011年6月14日に反論する意見を表明した。

 これは、総務省 情報通信審議会 電気通信事業政策部会の「ブロードバンド普及促進のための競争政策委員会 合同公開ヒアリング」でNTTドコモ 取締役常務執行役員の加藤薫氏が述べたもの。SBMが「NTTドコモは2009年度以前に携帯接続料に営業コストを算入していた。その分を返還すべき」と主張している点について、「2009年度以前に営業コストを携帯接続料に算入していたのは事実だが、営業コストを原則除外すべきとするガイドラインが適用される前のものである」と述べた。

 さらに「SBMとは合意の上、携帯接続料を精算していた。NTTドコモは接続約款の届出・公表により、相互接続料をオープンにしているが、SBMからは約款変更命令の申し立てといったものはなされていない」(加藤氏)と、2009年度以前の一部携帯接続料の返還を求めているSBMに対して疑問を呈した。

 今回の件は、NTTドコモが5月18日にSBMに対して2010年度の携帯接続料の算定根拠開示を求めて紛争処理委員会にあっせんを申請したことに始まる(関連記事)。その後、SBMが6月9日に「開示はするが開示先は第三者機関として携帯接続料の妥当性を検証してもらう紛争処理委員会のみ。ライバル企業であるNTTドコモへは開示しない」という考えを示した(関連記事)。

 このSBMの主張について加藤氏は、「NTTドコモへの開示が不透明であり、あっせんの場で引き続き理解を求める。また第三者による適正性検証は、紛争処理委員会の枠組みにはなじまない」とした。