写真●日立-オラクルVirtageソリューションセンター
写真●日立-オラクルVirtageソリューションセンター
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 日立製作所と日本オラクルは2011年6月13日、日立のサーバー仮想化機構「Virtage」上で、オラクルのクラスタリング技術「Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)」の稼働検証を行ったと発表した。今回の検証により、VirtageはOracle RACの稼働認定を受けた。この認定を基に、両社は「日立-オラクルVirtageソリューションセンター」(写真)を開設し、顧客に対してデータベース(DB)統合基盤の構築などについてアドバイスを実施していく。

 Virtageは、日立製ブレードサーバー「BladeSymphony」に搭載されている仮想化機構。CPUやメモリーといったハードウエアを論理分割し、複数の論理区画(パーティション)を作り出すことが可能である。今回、Virtageのパーティションで動かしたOracle Databaseについて、Oracle RACの稼働が認定された。これまでOracle RACの稼働が認定された仮想化環境は、オラクル製の仮想化ソフト「Oracle VM」のみだった。

 Oracle RACは複数のOracle Databaseのノードを連携させ、性能をスケールアウトさせると同時に、DB全体の可用性を高める技術。データの一貫性を保つために、キャッシュフュージョンと呼ぶ機能を使い、DBノード間でデータをやり取りする。特に仮想化環境ではそのオーバーヘッドが気になるが、「Virtageの機能を使いパーティションにI/Oカードを占有させることで、キャッシュフュージョンのパフォーマンスが確保できる」(日立製作所 第二サーバ本部 第三部 芳野泰成 部長)。

 両社は今後、ソリューションセンターを通じ、DB統合のサイジングや方式などについて顧客にアドバイスを行っていく。日本オラクル テクノロジー製品事業統括本部 アライアンスビジネス推進部の椛田后一 部長は「仮想化技術の普及によりIAサーバーの統合が進んできたが、DB統合には不安を感じる顧客が少なくない。Virtageで堅牢な仮想化環境を作り、その上でOracle RACを動かすことで、性能や信頼性が高いDB統合基盤が作れる」と話す。

 またオラクルは、次期「Oracle Database」のOracle RACに関わる部分について、開発・テスト環境としてVirtageによる仮想化環境を利用する。