日本企業の会計基準を策定する企業会計基準委員会(ASBJ)とIFRS(国際会計基準)を策定するIASB(国際会計基準審議会)は2011年6月10日、日本の会計基準(日本基準)とIFRSの主要な差異をなくす取り組みである「コンバージェンス(収れん)」のこれまでの成果について、「おおむね目標が達成されている」との評価を共同で公表した。ASBJとIASBは6月6日と7日に東京で共同会議を開催し、コンバージェンスの達成状況などを確認した。

 コンバージェンスは07年8月にASBJとIASBが結んだ「東京合意」に基づいて、ASBJが進めている。東京合意ではコンバージェンスの目標期日を11年6月末としている。10年3月期から適用になった工事進行基準の適用や、11年3月期から適用になった、連結財務諸表での包括利益の開示、資産除去債務の計上、マネジメントアプローチの採用などがコンバージェンスによって、日本企業に適用になった基準の代表例だ。

 現状、IASBはIFRSの改訂を進めているため、6月末日以降もコンバージェンスは継続する。収益認識やリースに関する基準などがその対象となる。

 共同会議ではIFRSそのものを日本の会計基準として採用する強制適用について、ASBJとIASBの協力関係を深めていくことも発表した。強制適用に先駆けてIFRSを採用する任意(早期)適用で発生した問題についても、共同会議で意見を交換したという。次回の共同会議は11年第4四半期にロンドンで開催する予定だ。