米Microsoftの文書作成ソフト「Word」に特許を侵害されたとしてカナダi4iが起こしていた訴訟で、米連邦最高裁判所は米国時間2011年6月9日、i4iの主張を認める判決を下した。これにより、Microsoftがi4iに約3億ドルの賠償金を支払うことが確定した。

 i4iはWordが同社のXML関連特許を侵害しているとして2007年3月にMicrosoftを提訴。2009年5月20日に連邦地方裁判所はMicrosoftによる特許侵害を認め、2億ドルの支払いを命じた。同年8月には意図的な侵害に対する賠償などを加えた合計2億9000万ドル以上の支払いと、販売差し止めを命じる判決をあらためて言い渡した。Microsoftはその後、連邦巡回区控訴裁判所に上訴したが同社の主張は認められなかった。

 2010年11月に両社の係争を最高裁に持ち込むことが決定し、2011年4月18日に審理が行われた。その結果、最高裁は控訴裁の裁決を支持する判断を下した。

 なお、MicrosoftはすでにWordを修正して特許侵害が指摘された技術を取り除いており、「Word 2010」は特許侵害の対象にはならないとしている(Wall Street Journal)。

[i4iの発表資料(PDF文書)]
[最高裁の発表資料(PDF文書)]