写真1●日本ヒューレット・パッカード エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括HPストレージ事業本部の飯尾光國事業本部長
写真1●日本ヒューレット・パッカード エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括HPストレージ事業本部の飯尾光國事業本部長
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写真2●買収した会社の製品を加えたHPの新ストレージ製品ラインナップ
写真2●買収した会社の製品を加えたHPの新ストレージ製品ラインナップ
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写真3●開発中の次世代ストレージアーキテクチャー「Store360」には、すでに1億ドル以上の投資をしている
写真3●開発中の次世代ストレージアーキテクチャー「Store360」には、すでに1億ドル以上の投資をしている
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 日本ヒューレット・パッカード(HP)は2011年6月9日、今後のストレージ製品戦略について記者向けに説明会を開催した。ここ数年で買収した各社の製品を「HP Storage」という新ブランドの傘下に統合し、一連のHPストレージ製品ファミリーとしてラインナップを整備する。

 日本HPの親会社にあたる米Hewlett-Packardは、2008年12月にiSCSIを使ったSAN製品を提供するLeftHand Networks、2009年8月に高速ファイルアクセスのNAS製品を提供する米IBRIX、2010年9月にエンタープライズ向けのディスクアレイ製品を提供する米3PAR--といったストレージベンダーを次々と買収してきた。エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括HPストレージ事業本部の飯尾光國事業本部長(写真1)によると、「買収したこれらの製品をHPのストレージ戦略として完全に統合した」という。

 具体的には、買収した3社の製品群と、HP独自のHP StorageWorks製品群の両方を、一つのストレージラインナップとして整理する(写真2)。すでに、SAN製品群のエントリー製品P4000として統合されているLeftHand社の製品や、ハイエンドNASのX9000として位置づけられているIBRIX社の製品に加え、3PAR社の製品も「HP 3PAR」としてハイエンドSANのラインナップに位置づける。これにより、SANとNASの両ラインナップについて、ハイエンドからミッドレンジ、エントリーまでのストレージ製品が一通りそろうことになる。

 その上で、これらの全製品について「HP Storage」というブランドに統合する。新たに買収した製品だけでなく、「HP StorageWorks」ブランドで提供していた既存製品についても、すべて「HP Storage」ブランドに統一する。例えば、最上位SANの「HP StorageWorks P9500 Disk Array」は「HP Storage P9500 Disk Array」に変わる。ハードウエア製品だけでなく、重複排除などを実現するソフトウエアの「StoreOnce」もHP Storageブランドとなる。

 また、HPではこれらのストレージ製品を扱う「Store360」という次世代アーキテクチャーを開発していることも明らかにした(写真3)。このStore360は、エントリーからエンタープライズまで幅広くカバーする、ソフトウエアベースのストレージアーキテクチャーになるという。今回の説明会では、その詳細までは明らかにしなかったが、IAプラットフォーム上にアプリケーションとして実装し、NAS、SAN、バックアップ、重複排除などを実現するプロトコルを共通のOS上に統合して提供することを想定している。これにより、ネットワーク上に分散したストレージを1つのリソースプールとして共有し、用途に合わせていろいろと使うことができるようになる。