写真1●グリーン・グリッド 日本マーケティング委員会代表の坂内美子氏
写真1●グリーン・グリッド 日本マーケティング委員会代表の坂内美子氏
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写真2●グリーン・グリッド 日本技術委員会代表の田口栄治氏
写真2●グリーン・グリッド 日本技術委員会代表の田口栄治氏
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写真3●グリーン・グリッド プレジデントのジョン・タシーロ氏
写真3●グリーン・グリッド プレジデントのジョン・タシーロ氏
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 データセンターやサーバー室,IT機器の省エネ化を推進する業界団体グリーン・グリッドは2011年6月9日、データセンターの表彰制度「グリーン・グリッド データセンター・アワード2011」を実施すると発表した。6月13日~9月16日に応募を受け付け、10月に受賞企業を発表する。

 アワードの対象は、自社運営または事業展開している日本国内のデータセンター。エネルギー効率の改善に向けた活動を応募時点で最低6カ月以上実施している実績があり、PUE(関連記事)やDCiE(関連記事)といったグリーン・グリッドが提唱する評価基準で改善前と改善後の定量化がなされていることが応募の条件となる。

 グリーン・グリッド 日本マーケティング委員会代表の坂内美子氏(写真1)は、「応募条件にはラックの数など規模に関する規定はない。ラックが数個しかないデータセンターや企業内サーバールームでも、どんどん応募してほしい」と、広く応募を呼びかけた。

 グリーン・グリッド データセンター・アワードは、昨年に引き続き2回目となる。昨年は、最優秀賞に日立製作所、優秀賞に富士通、特別賞にIDCフロンティアがそれぞれ選ばれた。「データセンター・アワードの最大の特徴は、効率性指標の絶対値ではなく、取り組みと継続的な改善度合いを評価すること。受賞企業からは、『なかなか日の当たらない地道な改善努力を評価してもらえた』という喜びの声をいただいた」(グリーン・グリッド 日本技術委員会代表の田口栄治氏、写真2)。

 グリーン・グリッドがこのようなアワードを実施する背景には、データセンターやサーバー室、IT機器のエネルギー効率を評価するための指標を、普及・浸透させたいという目的がある。PUE/DCiEによる定量化が応募条件になっているのも、その現れだ。グリーン・グリッドは昨年末にも、CUE(Carbon Usage Effectiveness)とWUE(Water Usage Effectiveness)という、PUEに並ぶ新たな指標を2つ発表しており(関連記事)、これらの普及も目指している。

 「3月の震災によって日本は今、エネルギー効率をいかに高めるかという課題を突きつけられている。こうしたエネルギーの課題に応えるために、グリーン・グリッドは最新の指標をもって日本政府やIT業界に働きかけていく」(グリーン・グリッド プレジデントのジョン・タシーロ氏、写真3)。

 グリーン・グリッド データセンター・アワード2011の主催はグリーン・グリッドで、特別協力が英DatacenterDynamics、協力がASP・SaaS・クラウド コンソーシアム(ASPIC)、グリーンIT推進協議会、日本データセンター協会(JDCC)。選考は、グリーン・グリッドのほか、ASPIC、グリーンIT推進協議会、JDCC、DatacenterDynamics、ITmedia エンタープライズ、ITproによって構成されるアワード実行委員会が行う。

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