2011年6月8日午前9時(日本時間)にスタートした世界規模のIPv6実地試験「World IPv6 Day」は、スケジュールの約半分が経過、終了まで残すところ約11時間ほどとなっている。今のところ参加企業や通信事業者などからは特に大きなトラブルも報告されておらず、試験は順調に進行している。
開始前に懸念されていた、NTT東西のフレッツ光ユーザーの一部がWorld IPv6 Dayに参加しているWebサイトに正しくアクセスできなくなるのではないかという問題についても、いざフタを開けてみるとほとんど問題は起こっていないようだ。
実際に、編集部でもフレッツ光ネクストの環境を使って検証したところ、WebブラウザーのInternet Explorer 9(IE9)より前のバージョンで発生するケースがあるとされていた、「Webアクセス時のフォールバック(IPv6からIPv4に切り替えて通信すること)の失敗」という現象は、IE8やIE7で一度も確認できていない(ただし、ユーザーの通信環境や利用OSおよび設定などにも依存するため、保証するものではない)。
なお、World IPv6 Day開始に伴って、IPv6通信のトラフィックは急増している。例えば、アカマイ・テクノロジーズが同社のIPv6によるWebトラフィックの統計データを提供している特設ページ「アカマイ IPv6 統計データ」によれば、8日午前9時(日本時間)時点で、アジア全体でのヒット数(ピーク値)は「37ヒット/秒」を記録。その後も平均20ヒット/秒程度のトラフィックが継続的に発生している(写真)。前日までの3日間は、ピーク値でさえ「6ヒット/秒」で、ほとんどゼロと言える状態だった。