米Dellは英国時間2011年6月7日、アイルランドのダブリンに同社初のクラウド研究開発センター「Cloud Research & Development(R&D)Centre」を建設すると発表した。また、アイルランドのリメリックにある同社キャンパスにソリューションセンター「Dell Solution Centre」を開設する。

 Dell Solution Centreは、同社が4月に発表した企業向け事業戦略の一環。クラウドコンピューティングを中心とした企業向け事業に2012会計年度(2011年2月~2012年1月)予算として10億ドルを設定し、世界22カ所にソリューションセンターを建設する(関連記事:Dell、クラウド関連事業に1年で10億ドル投資)。リメリックのセンターはその第1号となる。アプリケーション開発やコンセプト実証(POC)テスト、IT対策に必要なリソースを顧客に提供する。

 ダブリンのCloud R&D Centreはこれとは別の新たな計画。次世代クラウドコンピューティングアーキテクチャの開発に従事し、POC研究所としての役割を担う。オープンソースのクラウド基盤構築ソフト「OpenStack」に対応した各種機能の開発、サービスとしてのストレージ(ストレージ・アズ・ア・サービス)やサービスとしてのソフトウエア(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)向けの技術開発に焦点を当てる。

 現在、両施設におけるソフトウエアエンジニア、ITアーキテクトや開発者を募集しており、今後2年間で合計150人を採用する予定。

 なお、DellはかつてリメリックにEMEA(欧州/中東/アフリカ)向けコンピュータの製造工場を構えていたが、2009年から2010年にかけて製造拠点をポーランドとサード・パーティに移し、リメリック工場を閉鎖して従業員約1900人を解雇した経緯がある(関連記事:Dell,EMEA向け製造拠点を移管,アイルランドで1900人を削減へ)。

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