写真1●富士通 執行役員常務 サービスプロダクトビジネスグループ長の工藤義一氏
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写真2●日本マイクロソフト 代表執行役 社長の樋口泰行氏
写真2●日本マイクロソフト 代表執行役 社長の樋口泰行氏
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 富士通は2011年6月7日、米Microsoftのクラウドプラットフォーム「Windows Azure platform」を活用したパブリック・クラウド・サービス「Fujitsu Global Cloud Platform FGCP/A5 Powered by Windows Azure(FGCP/A5)」を8月1日からスタートすると発表した。群馬県館林市の同社データセンターから提供する。

 FGCP/A5は、Microsoftの「Windows Azure platform appliance」を使ったパブリック・クラウド・サービスである。Windows Azure platform applianceは、Microsoftが提供するWindows Azure platformと同等のPaaS(Platform as a Service)機能を、Microsoft以外のベンダーからでも提供できるようにするアプライアンスである。富士通のほかに、米Dellや米Hewlett-Packardへの提供も発表しているが、実際のサービスとして開始するのは、今回の富士通が世界初となる。

 今回のFGCP/A5では、クラウド基盤ソフト「Windows Azure」やクラウドデータベース「SQL Azure」、サービス連携ミドルウエア「Windows Azure AppFabric」といったWindows Azure platform applianceの基本機能に加え、富士通製のミドルウエアや運用、各種サポートといった独自サービスを付加し、富士通ブランドのパブリック・クラウド・サービスとして提供する。日本国内だけでなく、将来的には米国、欧州、アジア、オーストラリアへのビジネス展開も予定している。

 「FGCP/A5は唯一、国内データセンターからAzureを提供する。既存のWindowsアプリケーション資産との親和性などAzureの特徴はそのままに、日本の商習慣や法令への対応や、24時間の日本語サポートなど、充実した国内向けサービスを付加していく」(富士通 執行役員常務 サービスプロダクトビジネスグループ長の工藤義一氏、写真1)。日本企業での利用に合わせ、クレジットカードによる課金だけでなく、書面による課金にも対応する。同社は、今後5年間で大手企業400社、中堅・中小企業/ISVで5000社へのFGCP/A5導入を目指す。

 日本マイクロソフト 代表執行役 社長の樋口泰行氏(写真2)は、「日本品質にこだわる富士通との協業によって、Azureが日本企業の要件に応える高品質なクラウドサービスとして提供できるようになった。当社は、顧客のニーズに応じてWindows AzureとFGCP/A5の両方を提案していく」と述べた。