シンプレクス・コンサルティングは2011年6月7日、金融商品取引システムのクラウドサービス「Voyager Trading Cloud」を金融機関向けに開始すると発表した。同社はディーリングやインターネット取引など金融機関のフロントシステムを中心に手がけるソリューションプロバイダである。

 Voyager Trading Cloudでは、シンプレクス・コンサルティングがデータセンターにマルチテナント型のインフラを構築。その上で独自開発した専用プラットフォーム「Galaxy」を利用し、各金融機関へクラウドサービスを提供する。Galaxyでは、すべてのデータ処理をサーバーのメモリー(DRAM)上で完結させるオンメモリーデータベースを採用したほか、トランザクション・メッセージング基盤も改良。従来版の金融商品取引システムと比べ、注文執行のレイテンシー(待ち時間)を最短100ミリ秒から最短8ミリ秒に短縮するなど処理を高速化したという。

 まず、東京金融取引所が市場を開設・運営しているFX(外国為替証拠金取引)「くりっく365」向けのクラウド環境から用意する。三田証券が採用し、7月4日にクラウド経由でのサービスを開始する予定。シンプレクス・コンサルティングは2012年以降、相対取引(OTC)や先物オプション、差金決済取引(CFD)に順次対応していく。