大手セキュリティベンダーのマカフィーは2011年6月6日、同社のブログで、ボットネットの支配下に置かれている「ゾンビ」パソコンの台数が多い国を表すランキング「世界で最もゾンビが多い国ランキング2011」の最新データを発表した。同ランキングによると、2011年5月時点で世界で最もゾンビが多い国はインドで、第2位がロシア、第3位がブラジルとなっている。

 ボットネットとは、サイバー犯罪者が構築した、インターネット上で多数のパソコンを使って悪さを行うためのネットワークのこと。サイバー犯罪者は、メールの添付ファイルやOS/アプリケーションの脆弱性を突くなどの形でボットネット参加用のプログラム(botプログラム)を送り込み、パソコンを強制的にボットネットに参加させる。多くのユーザーは、いつの間にか自分のパソコンがボットネットに参加していることに気づかないまま、パソコンを使い続けているのが一般的。

 ボットネットに参加しているゾンビは、外部から自由に遠隔操作ができる状態になっており、迷惑メールの送信やWebサイトへの攻撃、マルウエアの配布など様々なサイバー犯罪に加担させられている。マカフィーの調べでは、例えば世界の迷惑メール(スパムメール)の80%がこのボットネット経由で送信されているという。

 マカフィーでは今回、世界の大規模ボットネットの規模を表すランキングについても併せて発表している。それによると、第1位が「Maazben」で第2位が「Bobax」、第3位が「Cutwail」となっている。以下、「Grum」、「Donbot」と続く。このランキングは、2011年2月に世界最大のボットネット「Rustock」が遮断されたことで、大きく変化したという。そのほか、サイバー犯罪者がAndroid端末でボットネットを構築しようとしている動きを同社の研究者が把握していることなども報告している。