KDDIは2011年6月3日、World IPv6 Dayの開催期間中、接続に何らかの問題が起こり得る同社サービスの一覧を公開した。auのスマートフォンの一部、個人向けインターネット接続サービスの「au one net」や法人向けサービスの一部で、特定サイトの閲覧ができない、表示が遅くなるといった影響があるという。

 主にユーザーが「NTT東日本/西日本(NTT東西)の光アクセス網(以下、フレッツ網)につながるインターネット接続サービスを契約している」「NTT東西のIPv6閉域網からRAなどでIPv6アドレスを受け取っている」「IPv6インターネットへの接続性は持たない」など、いくつかの条件を満たす場合に問題が起こる(そのほか、詳細な条件に関してはこちらの関連記事を参照)。実はこの問題は、すでにIPv6対応しているWebサイトにアクセスした際には、現在でも起こり得る。World IPv6 Dayの開催によって、著名なWebサイトが大規模にIPv6対応することにより、この問題がいっそう顕在化するために注意喚起した形となる。

 KDDIが列挙した、影響を受ける可能性がある端末やサービスは以下の(1)~(3)の通り。

 (1)OSにAndroidを採用した、auのスマートフォンの一部。具体的には「REGZA Phone IS04」「SIRIUS α IS06」「htc EVO WiMAX ISW11HT」が該当する。これらのスマートフォンで無線LANを使ってフレッツ網経由で接続すると、httpsを利用した一部のWebサイトの閲覧ができない、正常にサービスが利用ができないといった影響があるという。特定のAndroidのバージョンと、端末メーカーが独自に作り込んだソフトウエアの組み合わせによって、httpsのWebサイトにアクセスした際にIPv6-IPv4フォールバックが正常に働かないケースがある模様だ(IPv6-IPv4フォールバックについては、先述の関連記事の2ページ目を参照)。対策は、NTT東西のフレッツ網に接続しないように一時的に無線LAN機能を無効にすること。こうすると、auの3G網経由での接続となるため、問題を回避できるとしている(KDDIのWebサイト)。

 (2)個人向けインターネット接続サービス「au one net」で、アクセス回線としてNTT東西のフレッツ網(「フレッツ 光ネクスト」「Bフレッツ」など)を利用しているユーザー。Windows 7/Vista、Mac OS XなどIPv6での接続機能を持つOSを使っている場合、特定のWebサイトの閲覧や、メールの送受信ができないといった影響がある。こちらもIPv6が有効なOS上で特定のアプリケーションを動かした際に、IPv6-IPv4フォールバックがうまくいかないケースがある模様。同じ「au one net」でも、KDDIの光アクセス網「auひかり」を使っている場合は問題ない。対策としては、各OSのIPv6機能を一時的に無効にする方法を紹介している(KDDIのWebサイト)。

 (3)一部の法人サービス。具体的には、「KDDI インターネット」「KDDI 光ダイレクト インターネットオプション」「ADSL one 50(事業所用)」「KDDI Wide Area Virtual Switch Virtualデータセンター セキュア・インターネット」「KDDI IP-VPN インターネット接続GW型」の五つのサービス。特定のWebサイトを閲覧できない、表示が遅い、メールが送れないといった問題が起こる可能性がある。「法人向けサービスに関しては、影響が起こる可能性は少ない。ただし、当社で様々な試験を実施した結果、これらの五つのサービスではまれに問題が起こる可能性があると分かったために情報を公開した。実際に問題が起こった場合、対策はユーザーの環境によって個別対応になる。当社の営業や法人のお客様センターに連絡してほしい」(KDDI広報)としている。

発表資料