富士通は2011年6月3日、すべてのデータをメモリー上に配置すること(図1)で、マイクロ秒(100万分の1秒)レベルの高速処理を実現した高速インメモリーデータ管理ソフトウエア「Primesoft Server V1.1」の販売を開始した。価格は、1プロセッサライセンスが650万円(税別)から。出荷開始は7月を予定している。
アプリケーションからのトランザクションデータだけでなく、更新ログも含めたすべてのデータをメモリー上に配置することで、低速なディスクへのアクセスを不要にした。加えて、サーバー間のネットワークアクセスにも独自プロトコルを採用することで、マイクロ秒レベルの高速アクセスを実現しているという。
インメモリー型ソフトで課題となる信頼性の確保については、現用サーバーでインメモリー管理しているトランザクションデータを、常時自動的に待機側サーバーへミラーリングすることにより、データの冗長化を図っている(図2)。
さらに、待機側サーバーでは、ミラーリングされたデータを即時反映することで、インメモリーデータ全体を現用サーバーと同じ状態でメモリー上に保持。これにより、現用サーバーがダウンした際でも、データの完全性を保ちつつ数秒でサーバーを切り替えてサービスを復旧することが可能だという。
動作環境は、動作機種が同社の基幹IAサーバー「PRIMEQUEST 1000シリーズ」あるいはブレードサーバー「PRIMERGY BX900シリーズ」で、対応OSは「Red Hat Enterprise Linux 5(for Intel64)」、メモリーが2Gバイト以上などとなっている。このほか、同社のクラスターシステム構築用ソフトである「PRIMECLUSTER Enterprise Edition」も必要となる。
富士通によれば、同ソフトは2010年1月に稼働した東京証券取引所の次世代株式売買システム「arrowhead」で採用されたソフトウエアで、今回、同ソフトおよび技術をベースに、24時間365日継続運用可能な機能を追加したものだという。