「スマートモードチェンジ」の例。人名の入力が続くと、変換モードを自動的に切り替える
「スマートモードチェンジ」の例。人名の入力が続くと、変換モードを自動的に切り替える
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「おまかせキーワードチャージャー」で自動登録した語を、推測変換の候補として提示
「おまかせキーワードチャージャー」で自動登録した語を、推測変換の候補として提示
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ユーザーインタフェースも改良した。複数の辞書での変換候補を同時に表示し、[0]キーを押すと辞書を切り替えられる。このほか、アニメーションを用いた動きのある画面表示を実現した
ユーザーインタフェースも改良した。複数の辞書での変換候補を同時に表示し、[0]キーを押すと辞書を切り替えられる。このほか、アニメーションを用いた動きのある画面表示を実現した
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 ジャストシステムは2011年6月2日、Mac向け日本語入力ソフトの新版「ATOK 2011 for Mac」を発表した。ユーザーが入力する言葉の傾向を読み取って変換モードを自動的に切り替える機能などを搭載した。発売は7月8日。価格は「[ベーシック]」版が1万290円、『大辞林』など各種辞書を搭載する「[プレミアム]」版が1万4490円。動作環境は、Mac OS X 10.5.8~v10.6。アップルが発売予定の「Mac OS X Lion」での動作も保証する。

 新搭載の「スマートモードチェンジ」は、ユーザーが入力している言葉の傾向を読み取って、適切なモードに切り替える機能。例えば「田中」「山本」など人名が続けて入力されると「人名優先」モードに切り替え、人名を正しく変換できるようにする。通常「なかの」と入力すると「中の」と変換されるが、「中野」という人名を優先的に候補に出す。関西弁による入力が続くと「話し言葉関西」に切り替えるなど、方言も自動的に識別する。

 ユーザーの過去の入力傾向を基に、入力ミスを補正する機能も搭載。キーを押し間違えて「きーぼ^ど」と入力してしまった場合も、過去に「キーボード」と正しい変換をしていれば、ミスと判断して「キーボード」と変換する。「この機能によって、入力効率が格段に上がったことを実感している」(ジャストシステム 共通技術開発部 開発グループの竹原宗生氏)。

 このほか、興味のあるWebサイトのRSSを登録しておくと、そのデータに含まれる語を自動的に辞書登録する「おまかせキーワードチャージャー」機能を追加。推測変換(文字の一部を入力すると、それに続く語の候補を推測して提示する機能)の候補の一つとして提示する。一定期間使われない語は、不適切と判断して自動的に辞書から消去する。

 他のMacやWindowsパソコンで「ATOK」を使っている場合に、ユーザー辞書などを同期できる「ATOK Sync アドバンス」もある。従来も同期機能は用意していたが、今回からATOKが学習した変換候補の表示順序や確定履歴の情報も同期されるようになった。iPhone向けの「ATOK Pad for iPhone」などとも登録単語を共有できるという。データの同期には、同社のストレージサービス「InternetDisk」を利用する。ATOKを購入したユーザーは12カ月間無償で利用でき、その後も使い続ける場合は有償での契約が必要。