プロバイダ「WAKWAK」を運営するNTT-MEは2011年6月1日、同社の法人向けIP電話サービス「XePhionコールPro」およびWAKWAKユーザー向けにオプションサービスとして提供しているIP電話/IPテレビ電話サービス「WAKWAKフォン/WAKWAK TVフォン」の一部の国・地域向けの国際通話料金について、サービス約款に記載していた通話料金と異なる料金をユーザーに請求していた可能性があると発表した。

 NTT-MEによれば、XePhionコールProの場合、「フランス領ワリス・フテュナ諸島」「スペイン領北アフリカおよびカナリア諸島」「マディラ諸島およびアゾレス諸島」「バチカン市国」に発信するケースが該当するという。WAKWAKフォン/WAKWAK TVフォンでは、米国のアラスカ州に発信するケースが該当するとしている。

 例えば、WAKWAKフォン/WAKWAK TVから米アラスカ州へ発信するケースでは、「1分22円」の通話料が発生するところを2004年2月(料金月)から「1分40円」として計算していたという。

 同社では、こうした誤りが発生した原因として、(1)請求料金を計算する単金設定に誤りがあり、サービス約款と異なる料金で請求していたケース、(2)国際通話料金値下げ時に、請求料金を計算する単金の設定変更に漏れがあり、値下げ前の設定で請求していたケース---という二つを挙げている。

2011年2月分以前の利用記録を保存していなかった

 誤請求した通話料金の返還などの対応については、まず、同社がユーザーの利用記録を保存している期間(2011年3~5月料金月)に関しては、調査の結果、誤請求をしていたケースはなかったという。2011年6月料金月以降は、正しい料金で請求するとしている。

 2011年2月料金月以前で、誤請求となるケースに該当するユーザーについては、同社に利用記録が残っていないため、過去にさかのぼって正しい料金を計算し、同社側から返還するような措置をとることができないという。このため、ユーザーが自ら利用状況や支払った料金などを申告する必要がある。同社では、「申告を受けた後、契約状況や利用状況などから対応する」としている。

 物理的にどうしようもないとはいえ、誤請求があったかどうかをユーザーが過去にさかのぼって自分で調べる必要があるというのは、かなり不親切な対応と言わざるをえない。こうした事態を受けて同社では、「今回の事態を重く受け止め、誤請求の再発防止に向けて業務フローの改善に取り組むとともに、定期的な点検により、適正な料金請求に徹底して努めて参ります」と表明している。

 なお、この件に関するユーザーからの問い合わせ先は以下の通り。XePhionコールProについては、「XePhionコールPro カスタマセンタ」で電話番号は「0120-895065」(午前9時から午後6時まで。土日祝日、年末年始を除く)。WAKWAKフォン/WAKWAK TVフォンについては、「WAKWAKヘルプデスク」で電話番号は「0120-309092」(午前10時から午後7時まで。年末年始を除く)となっている。