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 Sahana Japan Teamは2011年5月31日、災害時救援情報サイト「sahana.jp」をオープンした。物資・支援要請などの情報を登録し地図上に表示できるサービスで、自治体やボランティア団体などの利用を想定している。

 Sahanaは2004年、スマトラ島沖地震の津波災害をきっかけにスリランカで開発され、現在は非営利組織Sahana Software Foundationが開発しているオープンソースソフトウエア(OSS)。2005年のパキスタン カシミール地方の地震、2006年のフィリピン レイテ島の地すべり、2006年のインドネシア ジャワ島の地震などでも利用されたという。

 sahana.jpは、ボランティア組織であるSahana Japan Teamが、SahanaのPython版であるSahana Edenを日本語化し、「Public Sahana」としてサーバー上で誰でも使えるように提供しているもの。震災情報集約サイトsinsai.infoの基盤となっているOSSのUshahidiからデータをインポートする機能を備えており、sinsai.infoのチームと連携して開発を進めている。「Ushahidiが救助のフェーズを支援するシステムであるとすれば、Sahanaは復旧のフェーズを支援するシステム」(sinsai.info)という。

 ただし現時点では、sahana.jpはバージョン0.1とベータ版的な位置付けであり、今後拡張、改良していく予定。Sahana Japan Teamでは開発・翻訳などの作業に参加するボランティアを募集している。

 sahana.jpをホスティングしているクラウドサービスは日本IBMが無償提供している。またハートビーツが運用監視サービスを無償提供している。

 SahanaはOSSであり、無償で自社のサーバーなどにインストールして利用することもできる。日本IBMは震災に関連して地方公共団体や非営利団体などに同社のクラウドサービスを3カ月間無償提供しており、その上で自分の組織専用の形態で利用することも可能という。

[sahana.jp]
[Sahana Japan Team]