米Forrester Researchは米ネバダ州ラスベガスで開催したイベント「Forrester's IT Forum」で現地時間2011年5月27日、Webを劇的に変えるのは、クラウドコンピューティングよりも、モバイルアプリケーションを通じたインターネット利用だとする見解を発表した。またモバイルアプリケーションの普及によって影響を受けるビジネステクノロジー業界の展望について説明した。

 Forresterの予測によると、モバイルアプリケーションを通じたコンテンツおよびサービス利用は、2010年に22億ドル規模の市場を創出し、その市場は2015年まで年平均85%の成長率で拡大する。同市場では米Appleが主導的地位を確立しているが、米Googleや米FacebookはWebベースの技術への依存度が高いためリスクがあると、Forrester最高経営責任者(CEO)のGeorge F. Colony氏は指摘する。

 ドイツSAPや米Oracleなどにとっては、アプリケーションの価格設定が成功の鍵を握る。米Hewlett-Packardや米Dellなどのハードウエアベンダーは、パソコンで培った経験をアプリケーションストアに焦点を合わせて改革するべきだとしている。

 米Microsoftはアプリケーション開発フレームワーク「Silverlight」などの重要な技術を持っているが、低コストかつ動的なアプリケーションへの移行を図り、古いデスクトップ向けライセンスモデルから脱却することが大切だ。

 またColony氏は、業界がクラウドコンピューティングに夢中になっているが「スタンドアロンのクラウドまたはWebソリューションは将来のWebアーキテクチャにはならない」と忠告する。米メディアの報道(InfoWorld)によると、同氏はGoogleが発表した「Chromebook」について「これまで目にした企業の愚かな行為の中で最たるものの一つだ」と批判したという。

[発表資料へ]