写真●東日本大震災の被災地における身元不明者の情報を調べられる「身元確認システム」
写真●東日本大震災の被災地における身元不明者の情報を調べられる「身元確認システム」
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTPCコミュニケーションズは2011年5月30日、東日本大震災の被災地における身元不明者について、身体的特徴やキーワードを使って情報の検索や閲覧を可能にする「身元確認システム」(写真)を開発し、同日付でサービスの無償提供を開始したことを発表した。

 東日本大震災の被災地復興支援を目的として、4月28日に同社がアクティスおよび明治大学と共同で立ち上げた「つむぎプロジェクト」の一環として開発した。「被災地である岩手県大船渡市を中心に現地でニーズ収集を行い、その中で要望が高かった『身元不明者の確認を的確に行いたい』との声に応えるため」(同社)、同システムの構築を決めたという。

 現状で同システムのデータベースに格納され、検索対象となっているのは、岩手県内の身元不明者の確認情報である。性別や身長の範囲、髪の色、身体の特徴(手術跡、ホクロ、入れ歯など)、フリーワード(身体的特徴、衣服、所持品など)を入力すると、部分一致する身元不明者の情報がある場合、発見場所や所持品、検視場所などの情報が表示される。遺留品の写真がある場合、文字情報に加えてそれらの写真も閲覧可能となっている。

 同社では、岩手県内の身元不明者情報だけでなく、宮城県などそれ以外の被災地の身元不明者の情報についても同システムを使って横断的に参照できるようにするために、関係機関との協議を続けていくとしている。