ソニーとソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は2011年5月27日、同社のゲーム機向けネットワークサービス「PlayStation Network」(PSN)および音楽などの配信サービス「Qriocity」について、欧米に続いて国内でも5月28日から段階的にサービス提供を再開することを発表した。

 4月下旬の不正侵入事件の発覚後、両社では国内でのサービス提供を見合わせていたが、ほぼ1カ月ぶりに再開されることとなった。日本のほか、台湾、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイでも同様に再開する。

 具体的に、提供を再開するサービス/機能は、(1)PlayStation NetworkおよびQriocityサービスへのサインインおよびパスワード変更、(2)プレイステーション 3(PS3)およびPSP(プレイステーション・ポータブル)でのオンライン対戦、(3)フレンドリストやチャット機能、トロフィーなどの「フレンド」カテゴリー内の機能、(4)3Dオンラインユーザーコミュニティ「PlayStation Home」、(5)torne(トルネ)などの各種サービスにおけるネットワーク機能---など。これらを含むサービスを段階的に再開するとしている。

 また、すべての国内ユーザーに対して、迷惑をかけたことへのお詫びと再開を待ってくれたことへの感謝の気持ちとして「感謝とおわびのパッケージ」を無償で提供することも合わせて発表している。同パッケージには、PS3およびPSP向けのゲームコンテンツの無償提供や定期更新サービスの30日間利用権の付与、映像コンテンツの無償レンタル提供などが含まれている。

 なお、今回の不正侵入事件について両社では、「現在も外部の調査機関を含むチームによる調査を継続中」としながらも、「クレジットカード情報が持ち出されたという証拠は報告されておらず、不正侵入を原因とする不正利用があったということも確認していない」と説明している。その上で、クレジットカードの再発行を希望するユーザーについては、各クレジットカード会社の協力のもと対応するとし、再発行手数料が発生する場合にはその費用をSCEが負担するとしている。