オープンソース団体Apache Software Foundation(ASF)は米国時間2011年5月25日、クラウド向けライブラリ「Apache Libcloud」をインキュベータープロジェクトからトップレベルプロジェクト(TLP)に昇格すると発表した。同プロジェクトは、米Amazon.comのAmazon Web Services(AWS)など20以上の主要クラウドサービスプロバイダーがサポートしている。

 LibcloudはオープンソースのPythonライブラリで、さまざまなクラウドサービスに対応した共通のインタフェースを提供する。開発者は、単一のAPIを利用することで、どのクラウドサービスでも動作するアプリケーションを一度の記述で作成することが可能になる。

 もとは米Cloudkick(2010年に米Rackspace Hostingが買収)が開発し、2009年11月にASFのインキュベータープロジェクトに加えられた。Libcloudの現バージョンには、AWSの「Amazon EC2」をはじめ、Rackspace、米GoGrid、米Linodeなどのクラウドサービスに対応したドライバが含まれる。

 今後は、クラウドコンピューティングの機能性だけでなく、ストレージや負荷分散などにも焦点を当て、すべての主要クラウドサービスに対応することを目指すとしている。現在、米国立科学財団(NSF)海洋観測所イニシアチブ(OOI)のデータ管理インフラ「OOI Cyberinfrastructure」や、Cloudkickのインフラ管理サービス、英Boxed Iceのサーバー管理サービス「ServerDensity」などがLibcloudを採用している。LibcloudのソースコードやドキュメントなどはWebサイトから入手できる。

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