NECは2011年5月25日、Webアプリケーションサーバー製品群「WebOTX」の新版である「WebOTX V8.4」の販売を開始した。セールスフォース・ドットコムのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「Force.com」との連携機能を実装するなど、クラウド連携を強化したのが特徴。出荷開始は6月で、今後3年間で6万システムへの導入を目指す。

 WebOTX V8.4の強化点は大きく三つある。(1)Force.comなどのクラウドとの連携機能、(2)WebOTXの導入や運用を容易にする機能、(3)Javaによるバッチ処理の運用管理機能である。

 (1)は「WebOTX Enterprise Service Bus」における強化点。GUIを使って、Force.comのAPIを介したデータ連携機能を実装できる。「Force.comの複雑なAPIを気にすることなく、Force.com上のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)にアクセスできるようになる」(NECの加藤雅之第三ITソフトウェア事業部グループマネージャー)。

 導入や運用を容易にする(2)の機能は、「WebOTX Application Server」の強化点だ。あるサーバー機に同製品をインストールした際の設定情報を、他のサーバー機にも複製して導入作業の負担を軽減する機能や、OSとWebOTX Application Server、アプリケーションなどの仮想イメージを複製・配布する機能を追加した。

 (3)はバッチジョブの運用を担う「WebOTX Batch Server」の強化点。COBOLやC言語に加えて、Javaで記述したバッチジョブについても、優先度に応じた処理をする機能や負荷状況に応じたジョブ振り分け機能などを利用できるようにした。システムを停止せずにジョブを追加・更新したり、設定を変更したりできる機能も追加した。