東芝の代表執行役社長 佐々木則夫氏
東芝の代表執行役社長 佐々木則夫氏
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 東芝は2011年5月24日、同社の2011年会計年度の開始に合わせて、経営方針説明会を開いた。登壇した代表執行役社長の佐々木則夫氏は、「パソコンとテレビ、携帯端末の3つのデバイスが融合した商品を開発、投入していきたい」と意欲を語った。

 例えば電話機能。今でも携帯電話やスマートフォンが電話機能を担う中核機器だが、インターネットに接続されたパソコンや液晶テレビで「Skype」などのテレビ電話を楽しむユーザーが増えている。動画の再生・閲覧もしかり。以前はビデオデッキやDVDプレーヤーを接続したテレビで視聴するのが主だったが、パソコンや携帯端末で映画などの動画を楽しんでいるユーザーも珍しくなくなった。「これまで個別に存在していたデバイス群だが、その壁がなくなりつつある」(佐々木氏)。

 融合した新商品を迅速に開発するため、同社はパソコン事業などを管轄する「デジタルプロダクツ&ネットワーク社」と、液晶テレビなどの映像事業を管轄する「ビジュアルプロダクツ社」を統合し、4月1日付で「デジタルプロダクツ&サービス社」を新設済み。縦割りだった組織を見直し、分野を超えて技術や部品、サービスの共通化を図っている。同事業における2010年度の売上高は約2兆3000億円だったが、佐々木社長は「インドネシアやベトナム、インドといった新興国でシェアを拡大するなどして、2011年度に約2兆5000億円、2013年度に約3.1兆円の売上高を目指す」と語った。