図1●HelloMeeting Proの利用イメージ
図1●HelloMeeting Proの利用イメージ
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図2●動作環境と、ひかり電話の契約別同時会議可能な拠点数
図2●動作環境と、ひかり電話の契約別同時会議可能な拠点数
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 ソフトフロントは2011年5月24日、NTT東西地域会社のNGN(次世代ネットワーク)を利用する多地点接続テレビ会議アプリケーション「HelloMeeting Pro」の販売を開始した(図1)。同社がこれまで提供してきた、1対1接続のテレビ会議アプリ「HelloMeeting」の上位版となる。

 接続できるテレビ会議端末は、HelloMeetingやHelloMeeting Proをインストールしたパソコンのほか、NTT東西の「フレッツフォン VP1500」「同VP2000」「同VP3000」、NTTドコモのFOMA端末など。

 ユーザーは、パソコンにHelloMeeting Proをインストールすれば、あとは家電量販店などで販売されているWebカメラやイヤホン/マイクなどを購入するだけでテレビ会議システムが実現する。このため、初期導入費用が安く済むという。

 ソフトフロント 取締役 研究開発担当の佐藤和紀氏によると、拠点ごとにテレビ会議システムの専用ハードウエアを導入し、テレビ会議システム用のサーバーを用意するタイプに比べて、「4拠点に導入するケースで比べると、初期費用を約8分の1に抑えられる」としている。

将来は月2480円の月額購入プランも

 初期導入費用のほかには、アプリケーションのライセンス料と回線使用料が必要だ。

 ライセンス料金は1ユーザー当たり4万4980円。ただし、将来は月額購入プランの導入も計画している。NTT東日本の「光ソフトタウン」やNTT西日本の「ソフトonフレッツ」など、アプリケーションを月ごとに購入できるWebサービスから月額2480円で提供する予定だ。

 回線使用料としては、アクセス回線として必要なNTT東西の「フレッツ 光ネクスト」または「フレッツ 光ライト」の月額利用料と、「ひかり電話」サービスの月額利用料、および通話料が必要となる。

 2段階定額制を採用したフレッツ 光ライトでは、ひかり電話の通信はインターネット通信のデータ量に応じて加算される従量料金の対象外となる。このため、テレビ会議の専用回線としてフレッツ 光ライトを使用すれば、比較的安価に利用できる。

 ただし、HelloMeeting Proを多地点接続で利用するには、ひかり電話の契約に注意が必要となる(図2)。通常の「ひかり電話」「ひかり電話A(エース)」の契約では、同時通話可能な番号が1個に限られるからだ。これでは、会議の主催者を含めて2拠点間でしかテレビ会議ができない。オプションサービスの「ダブルチャネル」を契約することで会議主催者を含めて最大3拠点、別サービスの「ひかり電話 オフィスタイプ」を契約することで会議主催者を含めて最大4拠点の会議が可能になる。

 また、5拠点以上で利用するにはHelloMeeting Proのカスタマイズが必要。別料金で、会議主催者を含めて9拠点での通話が可能になる。

「NGNの帯域確保で通信は安定」

 テレビ会議の画質に関しては、「HelloMeeting ProではNGNの持つ帯域確保の機能を使い、1チャンネルにつき2Mビット/秒を確保できるため通信が安定しやすい」と研究開発担当の佐藤氏は言う。

 市場には、一般的なパソコンなどとアプリケーションで実現できる安価なテレビ会議システムや、ASPサービスなどが既に出回っている。それに対して佐藤氏は、「既存サービスはインターネット上で通信をやりとりするため、特に動きの多い映像などをやりとりするとパケットロスが生じやすい」と、HelloMeeting Proの優位性を強調した。