今週木曜日から日曜日(2011年5月26日~29日)、例年恒例の「技研公開2011」が開催される。日本の放送関連技術の開発を進めるNHK放送技術研究所の研究成果を披露する年に1度のイベントである。今年は、「あなたに伝えたい、デジタル放送の未来」をテーマに実施する。

 既に、技研公開2011のホームページがオープンしており、展示内容に加えて、その内容紹介も閲覧できる。

 「進化し続けるデジタル放送」として、デジタル放送の現状に加えて、VHF-Low帯マルチメディア放送、家庭用としての実用化も進める安定受信技術、日本のような6MHz幅だけではなく、7MHzや8MHzの国・地域でも対応できるマルチバンドISDB-T変復調器を展示する。

 放送と通信を連携させるHybridcastは今年も注目だろう。この研究の一部は、ソニー、日本電信電話、パナソニックと個別に共同で進めているという。今回は、新たに開発したプロトタイプの受信機とともに、Hybridcastを支える技術や実現可能となるサービスの例を示す。

 放送とソーシャルネットワークの融合として、NHKが提案し実証実験も実施した「teleda」にも力を入れる。今後は、実証実験の結果を解析して、インターネットを活用した放送局のサービス要件を明確にする計画。さらに、外部のインターネットコミュニティーサービスと連携する実験を行うなど、実現に向けた検証を進めていく。

 このほか、テレビ視聴インターフェースUTANや次世代CASなど、様々な分野の研究開発成果がデモされる。

 さらに、「大量の放送用ファイルを放送局内で共有するため分散ファイルシステム」「映像・音声・データを、放送・通信の異種伝送路を用いて伝送し、受信側で組み合わせて利用するためのトランスポート技術」「複数のファイルを伝送中にそれらの相対的な伝送レートを調節する番組素材ファイル伝送のためのTCP優先度制御技術」「感動メーター」などのテーマで、ポスター展示が行われる。

[技研公開2011のホームページ]
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