合計6台のスマートフォン夏モデルを投入する。従来の携帯電話の開発も継続する
合計6台のスマートフォン夏モデルを投入する。従来の携帯電話の開発も継続する
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スマートフォンに表示された画像を指ではじくとテレビに画像が転送される機能のデモ
スマートフォンに表示された画像を指ではじくとテレビに画像が転送される機能のデモ
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背面に2台の800万画素カメラを搭載した機種もある
背面に2台の800万画素カメラを搭載した機種もある
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シャープの大畠昌巳通信システム事業本部長
シャープの大畠昌巳通信システム事業本部長
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 「昨年度は国内で200万台を販売したが、2011年度は500万台を超える」。シャープは2011年5月20日、スマートフォンの事業説明会を開催し、大畠昌巳通信システム事業本部長は、今後同社のスマートフォン販売をさらに拡大させる方針を示した。アジアや欧米など海外展開を進めるほか、端末は3D表示や液晶テレビの連携といった独自機能を強化する。

 シャープは2010年度下期(2010年10月~2011年3月)に6機種のスマートフォンを投入。MM総研の調査によると、2010年度全体の国内スマートフォン出荷台数シェアでは、24.3%で2位となった。今後は「この勢いで新製品を多数投入し、スマートフォンのシェア1位を獲得するべくまい進する」(大畠本部長)と目標を定めた。2011年夏モデルは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク向けにそれぞれ2台、計6台のスマートフォンを投入する。

 販売数を増やすための施策としては、AQUOS PHONEブランドの浸透を図るとともに、液晶テレビAQUOSとの連携を強化する。会場では、スマートフォンに表示された画像を指で弾くような操作をすると、テレビの画面にその画像が現れる「スマートジャンプ」と呼ばれる機能をデモした。これは、家電のネットワーク連携に関する標準規格DLNA(Digital Living Network Alliance)の技術を応用したもの。時期は未定だが、DLNAのDMR(デジタルメディアレンダラー)機能を搭載した同社製液晶テレビが登場したときに実現できるとする。

 このほかスマートフォンの動画を液晶テレビに表示する、ブルーレイレコーダーの動画をスマートフォンで見る、スマートフォンでメールを受け取ったことを液晶テレビに通知する機能などが実現できるという。

 端末の機能では、裸眼で立体的な表示を見ることができる3D液晶をアピールする。NTTドコモのSH-12C、KDDIのIS12SH、ソフトバンクの006SHの3機種では、3D表示の際に複数の像が重なったように見えるクロストークを低減。背面に2台の800万画素カメラを搭載し、簡単に3D写真や動画を撮影できるようにした。

 サービス面では、電子書籍サービスの「TSUTAYA GALAPAGOS」を推進する。新モデルのスマートフォンには、同サービスを利用するための専用アプリをプリインストールする。このほか、台の上に置くだけでバッテリーを充電できるワイヤレス充電器なども展示した。

 同社では、2008年から中国向けに携帯電話を販売してきたが、3D液晶を搭載したスマートフォンを中国でも販売する。このほか米国のシリコンバレーにも販売拠点を立ち上げており、欧米でもスマートフォンの販売を進めていく。