写真1●日本アバイアの製品「Social Media Manager」の概念図<br>中央の青いモジュール2つが、同製品を指す
写真1●日本アバイアの製品「Social Media Manager」の概念図<br>中央の青いモジュール2つが、同製品を指す
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写真2●コンタクトセンターのオペレータ用画面の例&lt;br&gt;twitterユーザーがつぶやいた内容と、ユーザーの属性情報が参照できる
写真2●コンタクトセンターのオペレータ用画面の例<br>twitterユーザーがつぶやいた内容と、ユーザーの属性情報が参照できる
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 日本アバイアは2011年5月20日、コンタクトセンター向けのソフト製品群「Social Media Manager」を提供開始した。

 この製品は、ソーシャルメディア上での「つぶやき」に対して、コンタクトセンターから回答できるようにする。例えばTwitterで「あの製品を手に入れたいが、手持ちのお金が少なくて」といった内容のつぶやきを見つけると、センターのオペレーターがユーザーに対して「その製品は来月から割引キャンペーンを開始しますのでご期待ください」とTwitter上で返事をする、といったスタイルの顧客対応を可能にする。現時点で対応するソーシャルメディアはFacebookとTwitter。

 仕組みとしては、まずユーザー企業側でSocial Media Managerに対して、つぶやきを抽出するキーワードや条件、担当者の振り分けといった設定を済ませておく。するとSocial Media Managerがソーシャルメディア上で流れているつぶやきを見つけた際、その中身に応じてコンタクトセンターの担当者に自動で振り分けていく(写真1)。例えば製品についての疑問であれば製品分野の担当者、クレームであればクレーム担当、といった具合である。

 コンタクトセンターのオペレータ向け画面には、つぶやかれた文面と、フォロアーの数など、ユーザーの属性情報が表示される(写真2)。オペレータはその中身と必要性に応じて、つぶやきに対する返信などの形で回答する。

 Social Media Managerは、同社製システム製品「Avaya Aura」「Avaya Aura Contact Center」の利用を前提とする。いずれもコンタクトセンターを構築・運用するためのものである。Social Media Managerの価格は規模などによって異なるが、最小規模であれば200万円から300万円程度の価格帯になるという。別途、導入時のコンサルティング費用が必要。

 これまで企業におけるソーシャルメディアの活用については、「情報を発信する」「ファン層を作る」といったマーケティングの観点から語られることが多かった。実際、マーケティング部や広報部などが主導で運用しているケースが多く見られる。いっぽうで、一般ユーザーによるソーシャルメディアでの発言には、製品やサービスについての疑問や質問、あるいはクレームなど、業務内容で言えば顧客対応の範ちゅうに含まれるものも多くなっているという。

 さらなるソーシャルメディアの普及が見込まれる中、アバイアは「コンタクトセンターの活用がカギを握る」(日本アバイアの平野淳ソリューションマーケティング部長)とみる。「企業がすでにコンタクトセンターを設置しているのであれば、そこにはすでに顧客対応の経験とノウハウ、製品やサービスの知識が蓄積されている。ソーシャルメディアとコンタクトセンターを結びつけることで、企業はソーシャルメディア上でも、適切かつ効率的な顧客対応ができるようになる」(同氏)。