ドイツのSAPは米国時間2011年5月18日、同社主催のカンファレンス「SAPPHIRE NOW」において、クラウドコンピューティング事業に関する米Microsoftおよび米Amazon.comとの提携を発表した。

 Microsoftとは従来の関係を拡大し、開発プラットフォームの連携と、データセンターおよびクラウドコンピューティング環境における統合強化を図る。SAPの連携技術「NetWeaver Gateway」を用いて、.NET開発者がより簡単にSAPソフトウエアのビジネスプロセスにアクセスできるようにし、「SAP Business Suite」に対応した.NETアプリケーションの開発を促進する。

 具体的には、「Visual Studio」および「NET Framework」の将来版でNetWeaver Gatewayサポート機能を提供する。また、クラウドプラットフォーム「Windows Azure」向けのNetWeaver Gateway対応ソフトウエア開発キットを提供し、オンプレミス型SAPシステムと連携するクラウドアプリケーションを開発できるようにする。

 さらに、SAPが今後リリースするシステムランドスケープ管理ソフトウエアと、Microsoftのシステム管理製品「System Center」およびサーバー仮想化技術「Windows Server Hyper-V」との統合も図る。

 Amazon.comとの提携では、各種SAP製品をAmazon.comのクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」に加える。企業は、クラウドモデルによるSAPソリューションの導入が可能になる。第1弾として「SAP Rapid Deployment」と「SAP BusinessObjects」の提供を開始しており、数カ月以内に対象のSAP製品を拡大する。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]