写真●NECカシオモバイルコミュニケーションズ 代表取締役社長 田村義晴氏
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写真●NECカシオモバイルコミュニケーションズの事業戦略
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写真●国内と海外の売上目標。2010年で90万台程度の海外売上を、2012年に500万台に拡大する
写真●国内と海外の売上目標。2010年で90万台程度の海外売上を、2012年に500万台に拡大する
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写真●MEDIAS WP(左)とG'zOne(右)
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 「Androidスマートフォンでグローバル市場を攻略、(現在約90万台の)海外売上を2012年に500万台にする」--NECカシオモバイルコミュニケーションズは2011年5月18日、2011年夏モデルの製品発表会を開催、同社の代表取締役社長 田村義晴氏は同社のAndroidスマートフォン「MEDIAS」と「G'zOne」をグローバルモデルとして展開し、2年間で海外売上を5倍以上に拡大する計画を明らかにした。

 この日同社が力を入れて紹介したのは、NTTドコモから発売される厚さ7.7mmで世界最薄のAndroidスマートフォンで、防水機能も備えた「MEDIAS WP N-06C」。そしてKDDIから発売される防水・防塵・耐衝撃Androidスマートフォン「G'zOne IS11CA」。G'zOneはすでに米Verizon Wirelessにも提供している。同社はこれらAndroidスマートフォンをグローバルモデルとして、北米、欧州、アジア市場に展開していく戦略だ。

 2010年の同社の販売台数は約440万台で、うち約2割、すなわち90万台程度が海外。2011年は販売目標740万台のうち3割、220万台を海外で、2012年は販売目標1200万台のうち500万台を海外で販売する計画である。

 海外市場を攻めるグローバルモデルはすべてAndroidスマートフォン。「フィーチャーフォン(従来型携帯電話)のグローバルモデルは考えていない」(田村氏)と言い切る。「スマートフォンで海外の端末が国内市場に入ってきたが、逆に海外に打って出やすくなったということ。オープン性の高いOSであるAndroidを採用することで(差別化につながらない)非競争領域の開発コストを削減し、(薄さや防水・防塵・耐衝撃といった)強みの部分に開発力を集中することで商品力を向上できる」(田村氏)。

 Androidを採用することで、従来10カ月から11カ月を要していた開発期間も半分に短縮されたという。既に社内にAndroid技術センターを設けているが、シリコンバレーにも年内にAndroidスマートフォン開発拠点を開設し、Googleや海外の携帯電話事業者との連携を強化する方針だ。