グーグルは2011年5月16日、同社の東日本大震災復興支援について発表会を開いた。東北地方を中心に、被災した企業や、風評被害に苦しむ企業の最新情報を集約・更新する「東日本ビジネス支援サイト」と、震災以前の町並みやイベントなどの記録を保存するプロジェクト「未来へのキオク」の2つの取り組みを発表した。
冒頭、同社代表取締役の有馬誠氏が登壇。被災地へお見舞いの言葉を述べた後、「震災直後より、自分たちにできることは何か、ネットでしかできないことがあるのではないかと考え、安否確認の『パーソンファインダー』や被災地の状況が分かる『航空写真情報』などを立ち上げた。現在は復興のフェーズに入りつつあり、この段階で自分たちができることは何かと社内で協議した」と今回の取り組みについての背景に触れた。
次に、執行役員でマーケティング本部長の岩村水樹氏が「東日本ビジネス支援サイト」と「未来へのキオク」の概要を説明。「力を振り絞って復興しようとしている人、そういう人を支援する人々へ、我々がテクノロジーとプラットフォームを提供することで生活再建に役立ててもらえれば」と語った。
「東日本ビジネス支援サイト」は、「ビジネスファインダー」(4月27日提供開始)からのピックアップ情報や「東日本ビジネス動画マップ」で登録された企業のプレイスページを地図上に表示する。さらに同日公開した、商品を紹介したり、営業状況を説明したりする事業主などのビデオメッセージを集めたYouTube上のチャンネル「ビジネス支援チャンネル」からもメッセージを紹介していく。今後、「地元テレビ局やNPO、ボランティアからの動画も期待したい」(同社)としている。
「未来へのキオク」は、今回の震災の記憶をとどめることを目的に、震災以前の町並みや風景、震災当日の体験、被災地で行われているイベントなどの写真や動画を「MIRAIKIOKU」というタグを付けてだれでも投稿できるプロジェクト。同日、投稿受付を開始した。今後、集まった写真や動画を場所、テーマ、日付別に整理して、5月下旬に公開する予定だ。