東京証券取引所は2012年5月をめどに、株式売買システム「arrowhead」の処理性能を強化する。証券会社などから受け付けた売買注文を1ミリ秒で処理できるようにする。現在は処理に2ミリ秒かかっているため、処理性能は2倍に高まる計算だ。

 処理性能の強化は、売買システムに採用している富士通製サーバー「PRIMEQUEST」を高速化することによって実現する。プロセッサの追加や置き換え、サーバー自体を最新機種に変えるなどの方法が考えられる。

 処理性能を高めると同時に、注文処理能力も増強する。現在は1日に処理できる注文件数が4680万件で、これを大幅に増やす計画だ。東日本大震災の後の3月16日に注文件数が過去最高の2200万件を記録し、注文処理能力の47%に達した。東証は、実際の注文件数の2倍以上の注文処理能力を備える方針であるため、今後の注文の増加に備え、処理能力の増強が必要と判断した。

 東証は、arrowheadにPRIMEQUESTの台数を増やすことで注文処理能力を高められるアーキテクチャを採用している。今後、注文処理能力の増加目標と、それに必要なサーバーの台数などを検討する。