写真●パイプドビッツによるクラウド型名刺スキャンサービスのデモの様子
写真●パイプドビッツによるクラウド型名刺スキャンサービスのデモの様子
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 2011年5月11日~13日に開催された「第2回 クラウド コンピューティング EXPO」では、クラウドを活用した様々なサービスが展示されていた。パイプドビッツは、7月から提供を予定している同社のクラウドサービスインフラ「スパイラル」を活用したユニークなクラウド型名刺スキャンサービス「スパイラル 名刺取込」を参考展示していた(写真)。

 同サービスは、「コンピュータによる自動処理」と「人手による処理」をネットワーク経由で組み合わせることにより、「サービス品質保証制度(SLA)による100パーセントの品質保証と翌営業日納品を実現した」(同社)もの。

 サービスを利用するユーザーは、まず手持ちの名刺をスキャナでスキャンし、専用アプリを使ってデータ(画像)を同社に送信する。同社では、受け取ったデータをOCR(光学文字認識)にかけてテキストデータを自動抽出した後、確認および修正作業のために複数のオペレータに処理を振り分ける。

 このとき、個々のオペレータに対して完全なデータを渡してしまうとユーザーの個人情報が丸見えとなってしまう。これを避けるため、同サービスではデータをマスキングした状態で渡すことで、「個々のオペレータレベルでは何のデータか判別できない」(同社)ようにして個人情報の漏えいリスクを極力減らす仕組みを採用しているという。

 オペレータは、OCRで処理したデータが正しい文字として認識されているかどうかを1文字ずつ確認し、誤っている場合は修正する。こうしてデジタル化が完了したデータは、同社の「トランザクションDB」と呼ぶデータベースに格納される。ユーザーは、トランザクションDBから必要な情報を「顧客DB」や「仕入れ業者DB」などクラウド上にあるほかのユーザーデータベースに転送して業務に活用できる。

 スパイラル 名刺取込の料金は「1件当たり数十円レベル」(パイプドビッツ)と、一般的な名刺デジタル化サービスと十分競争力のある料金を予定しているという。なお、利用に当たっては、同社のスパイラルサービスの契約が別途必要になる。