2011年5月11日から13日まで開催された「第3回 グリーンIT&省エネ ソリューションEXPO」会場内では、アイディールブレーンによる免震システムの体験デモが実施されていた(写真1)。
同社がデモしていた「μ-Solator」(ミューソレーター)は、「表面に突起(セル)があるステンレス製の板」と、「特殊樹脂をコーティングした鋼板を使った滑走プレート」の2枚の板を使った免震システム。2枚の板を重ね合わせた状態にして床に設置し、その上に対象物を載せる。下側のプレートは床に接着固定しておく。普段は2枚の板の間に発生する摩擦によって勝手に物が動くようなことはないが、震度5以上の地震が発生した際には下側のプレートが上側のプレートと独立して滑りながら動くことで免震となる。
アイディールブレーンによると、一般的なスライドレールを使った免震システムと比べて、(1)2枚の薄い板を敷くだけで済むため、レールほどかさ上げする必要がなく設置が容易であること、(2)あまりに激しい揺れの場合、レール式はレールの端にぶつかる衝撃によって物が倒れるなどの危険があるが、同システムではぶつかるものがなく起こりえないこと---などのメリットがあるとしている。
同システムは既に、三重県立美術館で彫刻を保護する目的などで導入されているという。IT関係でいえば、例えばサーバーラックなどを免震化する目的で活用できるといい、実際に同社のブースでは設置例を展示していた(写真2)。価格は、写真のラック1台分で約20万円ほどになるという。