タッチパネルで操作できるタブレット型のLIFEBOOK TH40/D
タッチパネルで操作できるタブレット型のLIFEBOOK TH40/D
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LIFEBOOK TH40/Dの本体を開くとキーボードが現れる
LIFEBOOK TH40/Dの本体を開くとキーボードが現れる
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Android端末とパソコンのデータ連携をする機能を加えた
Android端末とパソコンのデータ連携をする機能を加えた
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会場では、周辺機器の新製品としてLIFEBOOK SHシリーズの光学ドライブベイに内蔵できるプロジェクターを展示していた
会場では、周辺機器の新製品としてLIFEBOOK SHシリーズの光学ドライブベイに内蔵できるプロジェクターを展示していた
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 富士通は2011年5月13日、夏商戦向けの個人向けパソコンを発表した。新たに本体をスライドさせるとキーボードが現れるタブレット型パソコンを投入。各パソコンには、スマートフォンとのデータ連携機能のほか、東日本大震災の影響による電力不足に対応できるように、ピークシフトなどの電力平準化・省電力機能を搭載した。テレビ搭載パソコンではユーザーがパソコンの前から離れるとタイムシフト録画を自動的に起動する仕組みを加えた。

 パソコン関連製品が目指すべき新たな方向性として同社が強調したのが、スマートフォンなどモバイル製品との融合。同社では、パソコンと携帯電話を同じ事業グループで開発している。「今、パソコンと携帯電話を同一事業グループで開発している企業は国内では当社しかない。我々は今後、パソコンと携帯電話の技術が一緒になるだろうと見ている。両者を手掛けている強みを生かして、よりよい製品とサービスを提供したい」(執行役員常務の大谷信雄氏)として、新製品「LIFEBOOK TH40/D」を紹介した。一見すると、普通のタブレット端末だが、本体を開くとキーボードが現れる“ハイブリッドモーション”という機構を取り入れた。実勢価格は約8万円。このほか、一部を除く各パソコンにはAndroid端末の写真データを簡単な操作で取り込めるデータ連携機能を搭載する。

 震災の影響による電力不足で、パソコンでも節電対策が求められている。「社会貢献としてもFMVは節電に取り組む」(執行役員の齋藤邦彰パーソナルビジネス本部長)として、数々の節電対策を施した。夜にバッテリーを自動で充電し、昼間にはバッテリーで駆動させるピークシフト機能をノートパソコンに搭載。多くの電力を必要とする昼間の使用電力を抑える。このほか、一部製品には、パソコンを使っていない時には、電力消費をほぼゼロにするACアダプターを付属。画面の明るさを下げ、光ドライブへの電力供給を簡単に抑制できるECOボタンを搭載した機種もある。

 7月に迫る地上デジタル放送への移行に合わせて、テレビ機能も強化した。テレビを見ているときに、ユーザーがパソコンの前から離れると、自動でタイムシフト録画を開始し、席に戻ると、続きから再生する「おまかせポーズ」機能を付けた。このほか、5月末からは同社独自の電子書籍サービス「BooksV」を開始。同社パソコンのデスクトップに置かれたアイコンからすぐにアクセスできるようにする。

 震災時には、デスクトップパソコンを製造している福島県伊達市の富士通アイソテックが被害を受けたが、「ノートを製造している島根県の工場に急きょラインを移し、ユーザーに迷惑を掛けないような体制を採った。3月28日には福島の工場も再開し、通常通りに生産している」(大谷氏)と、新製品の製造には問題がないことをアピールした。