写真●東海電子のAndroid端末を利用するモバイルアルコール測定システム「ALC-Mobile Smartphone」
写真●東海電子のAndroid端末を利用するモバイルアルコール測定システム「ALC-Mobile Smartphone」
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 2011年5月11日から13日まで開催された「第1回 スマートフォン&モバイル EXPO」の会場内にある東海電子の展示ブースでは、Android端末を利用するという珍しいタイプの業務用モバイルアルコール測定システム「ALC-Mobile Smartphone」が参考出品されていた(写真)。

 2011年4月1日に施行された国土交通省の省令によって、トラックやバス、タクシーなど旅客および貨物の運送を行う事業者は、点呼時にアルコール検知器を使用することが義務化されている(関連リンク:国土交通省の発表資料)。

 同省令では、長距離トラックや観光バスなどが宿泊を伴って移動する際の遠隔地における電話点呼時にも、アルコール検知器を携帯して確認することを義務付けている。しかし、いざドライバーに検知器を持たせても、口頭による確認では虚偽申告などの不正行為を防ぐのが難しい。そこで同システムでは、小型のアルコール検知器とAndroid端末を組み合わせることで、そうした不正行為を確実に防止できる仕組みを採用しているという。

 具体的に、同システムではAndroid端末のカメラとGPS、通信機能の三つが連携することで虚偽申告などを防ぐ仕組みになっている。まず、アルコール濃度を測定する際には、カメラに対して被測定者(ドライバー)が息を吹き込んでいる様子を映した状態にした上で、測定器に3秒間ほど息を吹き込む必要がある。

 必要な量だけ息が吹き込まれると、自動的にカメラのシャッターが切られ、GPSによる位置情報データと共に管理用サーバーに送信される。さらに、データを送信した後に初めて、被測定者の手元にあるAndroid端末の画面上に、測定した呼気中のアルコール濃度が表示される。このような手順にすることで、なりすましややり直しなどを確実に防げるわけだ。