ソニーとソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は2011年5月15日、1億人を超えるユーザーの個人情報が漏れていたとして、サービスを停止していた同社のゲーム機向けネットワークサービス「PlayStation Network」(PSN)および音楽などの配信サービス「Qriocity」の提供を再開したことを発表した(関連記事)。

 現地時間5月14日に米国や欧州地域など一部地域でサービス提供を再開したという。国内およびアジア地域でのサービス再開は近日中を予定している。なお、再開したのは一部の無償サービスのみで、5月中の両サービスの全面復旧を目指すとしている。

 サービスを再開した理由として両社では、サービスを運営するSony Network Entertainment International(SNEI)がユーザーの個人情報保護をより強固にする安全管理措置を導入し、サービスを安全に提供できるメドが立ったためであると説明している。

 具体的にSNEIでは、情報セキュリティ専門会社の協力の下、(1)システムへの侵入および脆弱性をモニタリングするソフトウエアの追加、(2)暗号化方式の強化、(3)ファイアウォールの増設――などの安全管理措置を講じたという。

 また、情報セキュリティ管理強化策の一環として、ソニーグローバルソリューションズの堺文亮社長をSNEIの最高情報セキュリティ責任者(CISO)に任命したことも併せて発表している。堺氏がSNEIのティム・シャーフ社長およびソニーの長谷島眞時CIO(最高情報責任者)に直接報告する体制を敷くという。

 なお、両社では今回の漏えい事件に対するユーザーへのお詫び的措置として、コンテンツやサービスの無料提供を予定している。同プログラムの詳細については、近日中に地域ごとにアナウンスするとしている。