NTT東日本は、ポータブル無線LANルーター「光ポータブル」の新機種を、2011年度第2四半期に提供開始する。新機種は「IEEE 802.11n」に対応し、より高速に無線LANで接続できる。携帯回線は現行機種と同じ3G接続で、LTE接続には対応しない。2011年5月13日の決算会見で明らかにした。

 光ポータブルを充電用クレードルに接続すると、クレードルに接続した固定通信回線の無線LANルーターとして機能する。ただし現行の光ポータブルは外出時に本体を持ちだしてしまうと、家庭内の機器が無線LANを使って固定通信回線に接続できなかった。新機種ではクレードルにも無線LAN機能を搭載することで、本体を持ち出した後も家庭内で無線LANを使ったインターネット接続ができるようになる。

 また、外出先で光ポータブルの接続先にもなる公衆無線LANサービス「フレッツ・スポット」の提供エリアを拡大し、サービスを強化する。現在約5000カ所あるアクセスポイントを、2012年度末までに50000カ所まで拡大する。災害時には無料開放し、被災者がインターネットから情報を入手する手段として提供する。

 今後コンビニエンスストアや飲食チェーン店と協業する形でアクセスポイントを設置する計画で、店舗側はインターネットへの接続手段として提供するだけでなく、店舗で利用できるクーポンの配布や施設案内といった独自コンテンツを配信することで、集客効果を高めることができるという。また公共施設や学校などへの設置も積極的に進める。

 現在提供中のフレッツ・スポットは接続手順としてPPPoEを用いており、iPhoneなどPPPoE非対応の端末では直接接続できない。今後新設するアクセスポイントではPPPoEによる接続を見直し、より多くの端末でサービスを利用できるようにするという。